鏡を握っていた女

こんな話がございます。 加賀国は白山権現の麓に、鶴来(つるぎ)と申す集落がございます。 名酒の産地として誉れ高く、里には酒屋があまたござい...

児肝を取る貞盛

こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 当時、平貞盛と申すつわ者がございました。 これは後に権勢を極めることになる桓武平氏の三...

群れなす呪い人形

こんな話がございます。 唐の国の話でございます。 玄宗皇帝の治世のころ。 楚丘という地方の県令に、蘇丕(そひ)という人物がございました。 ...

夫婦岩

こんな話がございます。 備中は成羽郷の山奥に、木の村という小さな村がございます。 その村の神社の境内に、二つの大きな岩がございまして。 村...

腰の低い幽霊

こんな話がございます。 昔、越中国の某所に化物屋敷と噂される邸宅がございました。 なんでも当主が何代か続いて不可思議な死を遂げたとかで。 ...

奈良山の髑髏

こんな話がございます。 我が日の本がまだ倭と呼ばれていた頃のことでございます。 元興寺に道登という学僧がおりました。 この僧は元は高句麗人...

干将莫耶と眉間尺

こんな話がございます。 唐土(もろこし)の春秋時代の話でございます。 楚の国に干将(かんしょう)と莫邪(ばくや)という夫婦がございました。...

もう半分

こんな話がございます。 千住の小塚ッ原に、あまり流行らない居酒屋がございまして。 夫婦二人で切り盛りしておりましたが。 流行らないという...