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怪談乳房榎(一)落合の蛍狩り

絵師菱川重信の下男正介は、悪人磯貝浪江に脅されて主人を落合へ蛍狩りに誘い出し――。幽霊の遺した落款。墨絵の雌龍雄龍がやぶにらみする。近代日本語の祖、三遊亭圓朝による四大怪談噺の一。

五色の鹿

山奥深く孤独に暮らす猟師。激流に呑まれた男を命がけで救ったのは――。報恩と虚栄心が入り乱れる。釈迦の前世譚「ジャータカ」を原話とする「宇治拾遺物語」中の一篇より。

妻の首をすげ替える

酒の席での戯れで背負って帰った判官像。ある晩、突然現れた判官に恐れおののきながら許しを請うが――。血まみれの臓物と美しい首。中国怪異の名作古典「聊斎志異」中の一篇より。

波の白雪 名刀捨丸の由来

木曽山中。道に迷った治三郎が宿を求めた家は、名代の山賊捨丸の隠れ家だった。波の白雪が闇に光る。血に赤く染まる古伝の名刀。振りかざした不実の正義に、美女はどう応えるか。

母は蛭子を淵に捨てよ

借財をしても決して返そうとしなかった女。十年後、女は童子ながら足腰のまだ立たぬ我が子を抱えて路頭に迷っていた。それを見た高僧が放った一言とは――。「日本霊異記」中の一篇より。

吉田御殿 千姫乱行

大坂落城の猛火の中を救われた千姫。恩人を袖にし美男を見初めた報いが、若き御後室を情欲と嗜虐の鬼女に変えた。吉田通れば二階から招く――。「番町皿屋敷」の前日譚。

熊野起請文 烏の祟り

お人好しの主人の目を盗み、私腹を肥やす子飼いの手代。神をも怖れぬ増上慢が身に招いた破滅。反り返っては跳ね、反り返っては跳ねる火の車――。平仮名本「因果物語」中の一篇より。

蓮華往生

初代尾上菊五郎の子、丑之助。暴漢に襲われた父から聞いた最後の一言が、彼の人生を狂わせる。蓮華の花中に秘められた真実とは――。実際の事件を組み合わせ脚色した江戸の罪業譚。