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死に埋め婆の声がする

死してもなお、ともに寄り添い合おうと、死骸を壁に埋めてくれと頼んだ婆。爺も喜んで埋めてやり、毎晩、呼びかけられるのを楽しみにしていたが――。情愛の行き着く果ては、狂気かそれとも怨念か。

三人尼と踊り茸

通い慣れた山中で道に迷った三人の木樵。数日にわたる野宿の末に見たものは、世にも奇怪な尼の姿だった。欲と自制の葛藤の隙に生まれる悦と苦――。怪奇と幻想の果てに現れた結末とは。

比丘尼の長風呂

帝位を密かに狙う東晋の武人、桓温。訪ねてきた尼僧の不審な振る舞いに、非礼と知りつつ風呂を覗いてみると、そこにはきらめく白刃、そして――。「意気消沈」の語の由来として知られる歴史故事。

瀬田の唐橋で渡された箱

京から美濃へ帰る途上、名橋「瀬田の唐橋」で不思議な女に出会った遠助。「決して開けてはならない」と言って渡された箱――。平安のパンドラの箱には、恐ろしいモノが詰め込まれていた。

阿闍世王と釈尊

摩竭陀国の阿闍世王子は、奸物提婆達多に父王を殺して王位を奪うよう唆される。拒否する王子に、提婆達多が吹き込んだ出生の秘密とは――。手塚治虫「ブッダ」でも有名な逸話より。

妲己のお百(四)美濃屋小さん

美濃屋重兵衛の勧めによって桑名屋徳兵衛は、甲州へ金策に奔る。ところがやっとの思いで帰ってくると、美濃屋もお百も姿を消していた。金の切れ目が縁の切れ目。毒婦お百が本領を発揮する――。

毘瑠璃王と釈迦の一族

釈迦族の王女を母に持つ舎衛国の毘瑠璃王子。母の母国へ留学に送り込まれた彼は、そこで恥辱とともにみずからの出自を知ることになり――。手塚治虫「ブッダ」でも有名な逸話。