2016年09月一覧

沢の怨霊の片棒を担ぐ

武将張禹が旅の途中、雨宿りに立ち寄った屋敷は、死者の館だった。美しい女主人の亡魂と後妻への怨み。見込まれた張禹は祟りの片棒を担ぐことになり――。六朝期の志怪小説より。

妲己のお百(四)美濃屋小さん

美濃屋重兵衛の勧めによって桑名屋徳兵衛は、甲州へ金策に奔る。ところがやっとの思いで帰ってくると、美濃屋もお百も姿を消していた。金の切れ目が縁の切れ目。毒婦お百が本領を発揮する――。

変成男子と男やもめ

近江の宿場町に現れた美しい僧。一晩明けると、居住まいから声音まですっかり女らしくなっていた。にわかに興味をいだいた主人は、夜、僧の寝床を密かに訪れるが――。「奇異雑談集」中の一編より。

毘瑠璃王と釈迦の一族

釈迦族の王女を母に持つ舎衛国の毘瑠璃王子。母の母国へ留学に送り込まれた彼は、そこで恥辱とともにみずからの出自を知ることになり――。手塚治虫「ブッダ」でも有名な逸話。

一つが二つが四つになる

妖邪、迷信のたぐいを一切信じない、李頤の父。ある時、その噂を聞きつけた商人から、住めば必ず死ぬという家を買ってほしいと頼まれる。家人の心配をよそに、二つ返事で承諾すると――。

妲己のお百(三)おきよの亡霊

雪の中を裸同然で追い出された桑名屋の妻おきよ。一子を産み落として死んだ女は、桑名屋にぺんぺん草を生やすべく亡霊となって迷い出る。ところが、お百は物怖じもせず――。毒婦が毒婦たる所以。

むくむくと腫れ物に触るよう

僧が一夜の宿を借りた百姓家。夜中に「むくむく」と呻く声の謎。そのわけを、主人に尋ねてみると――。右から左から、怨みと妬みの声が呼びかける。「諸国百物語」中の一遍より。

犬が狐を殺しに来る

前世からの仇に取り憑いた狐。敵を取り殺し、恨みを晴らした狐のもとに現れたのは――。憎しみが憎しみを呼び、怨みが怨みを招く。誰もが陥る負の連鎖。「日本霊異記」より。