仏教説話一覧

「日本霊異記」「今昔物語集」など、中世仏教説話に見られる怪異譚

鬼女の乳を吸う

旅の僧が一本道の藪の中に見た若い女。衣をはだけ、あらわにした乳房から滴っていたもの――。この世の地獄の先に、女が見た境涯とは。

瓜売り歩く人と馬

馬の背に瓜を積み、酷使して売り歩く男。あまりの非情さに、通りすがりの老僧が意見をするが――。暗闇から迫ってくる獣の足音。人のこうべは瓜の味。「日本霊異記」より。

五色の鹿

山奥深く孤独に暮らす猟師。激流に呑まれた男を命がけで救ったのは――。報恩と虚栄心が入り乱れる。釈迦の前世譚「ジャータカ」を原話とする「宇治拾遺物語」中の一篇より。

母は蛭子を淵に捨てよ

借財をしても決して返そうとしなかった女。十年後、女は童子ながら足腰のまだ立たぬ我が子を抱えて路頭に迷っていた。それを見た高僧が放った一言とは――。「日本霊異記」中の一篇より。

月蝕む夜に鞭打つ女

月蝕の晩に出会った女には、意外過ぎる裏の顔があった。世界最古の描写と目される、平安のサディズム&マゾヒズム。芥川龍之介「偸盗」の原拠となった「今昔物語集」中の一遍より。

三尺の翁が顔を撫でる

かつての冷泉院跡に残った池の畔。気持ちよく昼寝をしていた男の顔の上に不気味な気配。身の丈三尺の老人が冷たく濡れた手で――。怪しい翁の正体とは。今昔物語集中の一篇より。

蘭陵王の婿

天涯孤独の若い男のもとに願ってもない縁談が舞い込む。聞けば相手も独り身で、その上尽き果てぬほどの財を持っているという。ところが、その背後には男を待ち受ける恐怖の奇面の影があった。