悲哀一覧

黒い腹の中

山中で出会った若者は、口から美女を吹き出した。若者が酔って寝ている間に女はまた――。幻が幻を生んだ後に残るものとは。井原西鶴『残る物とて金の鍋』の原拠。

夜ごとの妻

無愛想な隣人の部屋から夜ごとに漂う霊妙な香り。不審に思った二人の男が問い詰めると――。幽明を隔てた純愛に襲う悲劇。唐代の伝奇小説より。

貧者と菊の姉弟

菊を愛で、清貧を旨とする馬子才。現れた同好の姉弟は、対照的に金儲けに手を染める。太宰治「清貧譚」の原拠となった聊斎志異中の名品。

江島屋怪談

吹雪の中たどり着いたあばら家。夜中に異様な振る舞いをする老婆に、旅人がわけを尋ねると――。三遊亭圓朝作の傑作怪談噺より。

女侠と乳飲み子

難関を突破して科挙に合格した崔慎思。借家の女主人を見初めて言い寄るが、どこか謎が多く――。不審と疑惑の末に知った女の素性とは。