生霊一覧

生きている人間の怨念

長いものは窓より入る

甲斐性なしの夫を支えた糟糠の妻。無情に打ち捨てられた女は、新たな幸せを掴んでいたかに思われたが――。長いものがうねりながら迫ってくる。じっと見つめる無表情の裏に秘められた情念とは。

吹雪の夜 一つ褥の妖かし話

清代北京の路地裏。一つ屋根の下に暮らす兄嫁と義弟。互いに長年秘めてきた恋心が吹雪の晩に形をなす――。貂の帽子に狐の皮衣。美少年のたわわな黒髪が、二人の思いを一つに結ぶ。

蒼き炎と眠る美童

諸国行脚の旅に出た一休。ある土地で同じ一人に当てた艶書を幾通も託される。辿り着いたのは人影のまるでない廃墟のような寺町。そこに一人で住んでいたのは頑是ない稚児だった。執心が生霊となり、赤い血が鬼と化す。「諸国百物語」中の一篇より。

美姉妹と背徳の赤い糸

戦乱に巻き込まれ許嫁と死別した平次。彼のもとへ夜な夜な通ってくるのは亡き妻の妹。平次は愛欲の波に飲み込まれていくが――。江戸怪談の嚆矢、浅井了意「伽婢子」中の一遍より。

近江の女のいきすだま

東国へ下ろうと夜道を歩いていた男は、見知らぬ女にさる屋敷へ案内するよう乞われるが――。肉体を離れた情念の純化した恐ろしさ。「今昔物語集」中の一篇より。