子ども一覧

子どもにまつわる怪異譚

金弥と銀弥

双子のように仲の良い美貌の侍女、金弥と銀弥。ある晩、銀弥は金弥の秘密の姿を目にしてしまい――。ひとつ褥に妖物が添い寝する。江戸の名随筆家、鈴木桃野「反古のうらがき」中の一篇より。

蒼き炎と眠る美童

諸国行脚の旅に出た一休。ある土地で同じ一人に当てた艶書を幾通も託される。辿り着いたのは人影のまるでない廃墟のような寺町。そこに一人で住んでいたのは頑是ない稚児だった。執心が生霊となり、赤い血が鬼と化す。「諸国百物語」中の一篇より。

母は蛭子を淵に捨てよ

借財をしても決して返そうとしなかった女。十年後、女は童子ながら足腰のまだ立たぬ我が子を抱えて路頭に迷っていた。それを見た高僧が放った一言とは――。「日本霊異記」中の一篇より。

子育て幽霊

戦乱に巻き込まれて死んだ妊婦。それから数日後、隣町の餅屋には夜な夜な現れる赤子を抱いた陰鬱な女の姿が――。日本民話の原話となった宋代の志怪小説より。

班女と梅若丸 隅田川

隅田川の渡し船に乗り込んだ都の狂女。対岸で行われている念仏会の由来を渡し守が語りだすと――。親子の情も春の夢のごとく散ってゆく。世阿弥の子、元雅作の名作能より。

傾城阿波の鳴門 巡礼歌

主家の宝刀を探し求めて、大坂に潜伏する十郎兵衛夫妻。ある日、隠れ家にやって来た幼い女巡礼は、国に置いてきた我が娘の成長した姿だった――。近松半二作の名作人形浄瑠璃より。

こんな晩

実直者として評判だった船頭嘉吉。夜遅くに一人乗った座頭の懐に、妙な手触りを感じたのが運の尽きだった。夏目漱石「夢十夜」、落語「もう半分」などの原拠として知られる恐怖民話。

江ノ島 稚児ヶ淵の由来

四周を断崖に囲まれた江ノ島。鎌倉建長寺の僧自休は容姿美麗な稚児白菊を見初める。高僧が堕ちた愛執地獄。悶え苦しんだ先に待っていた悲劇とは。歌舞伎「桜姫東文章」「青砥稿花紅彩画(弁天小僧)」などの原拠として知られる相州の伝説より。