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子育て幽霊

戦乱に巻き込まれて死んだ妊婦。それから数日後、隣町の餅屋には夜な夜な現れる赤子を抱いた陰鬱な女の姿が――。日本民話の原話となった宋代の志怪小説より。

班女と梅若丸 隅田川

隅田川の渡し船に乗り込んだ都の狂女。対岸で行われている念仏会の由来を渡し守が語りだすと――。親子の情も春の夢のごとく散ってゆく。世阿弥の子、元雅作の名作能より。

水を飲んだ女

真夏の昼下がりに現れた幼く愛らしい寡婦。その人柄に惹き込まれた王夫婦は、少女を息子の嫁にもらうことにするが――。夢枕に悲痛の訴え。寝間から聞こえる怪しい音。「酉陽雑俎」中の一遍より。

食い込む爪

旅の途中、街道沿いのある村で宿を求めた四人の若者。老いた主人が貸し渋る一室に、何とか口説き落として泊めてもらうことになったは良いものの――。暗闇の惨劇。息を呑む展開。聊斎志異中最恐との呼び声高い一話より。

神隠し 嬰児と黒髪

山中で遭遇した女は、かつて己が想った娘だった――。背中におぶった赤子の来歴。そして、女の来し方に秘められた悲話とは。二十年ぶりの再会に、男と女は何を思うのか。柳田國男「遠野物語」中の数篇より翻案。

死霊解脱 累ヶ淵(二)累と助

怨敵与右衛門の娘、菊に憑依した累の亡魂。人々の念仏供養によって無事成仏したかに思われたが――。六十年の歳月を経て、秘められた因果が明らかになる。江戸怪談黎明期の大傑作。

手っ切りあねさま

継母に憎まれ、手首を斬り落とされた娘サト。あてどない旅の果てに出会ったのは、許嫁の男だった。ところが、二人の束の間の幸福に、継母がまたもや割って入り――。すれ違いと誤解が生む悲劇。

人知れず美しい婿

箱入り娘の前に現れた、天下に二人とないという旅の美男子。長者は娘の婿に是非と要請するが、美男子はいつまでも覆面を外さない。やがて、怨霊の登場とともに、美男子の素性が知れ――。

二度目の妻と嚢中の錐

才色兼備の妻を得た、地方司法官の丁欽。難事件にぶつかるたび、妻の推理が夫を救う。だが、ある時、妻が突然押し黙ってしまい――。江戸文化に影響を与えた「南村輟耕録」中の一篇より。