
修羅道 佐倉惣五郎
下総佐倉の名主、木内惣五郎。領主堀田正信の苛斂誅求に、民になり代わって立ち上がるが。義憤の行く先に待っていた悲劇。歌舞伎「東山桜荘子」の原拠として知られる実在の人物伝より。
下総佐倉の名主、木内惣五郎。領主堀田正信の苛斂誅求に、民になり代わって立ち上がるが。義憤の行く先に待っていた悲劇。歌舞伎「東山桜荘子」の原拠として知られる実在の人物伝より。
友を騙して金を奪った七兵衛。何食わぬ顔で友を探す旅に出るが、待っていたのはカラカラと笑う髑髏だった。グリム童話やドイツの民話など、世界的にも類話の多い枯骨報仇譚。
山裾の小屋に宿を借りた旅の僧。主人は老いた猟師で、仔猪しか獲れなかったと肩を落とす。その目に宿る一抹の狂気、そして聞こえ念仏の声――。塚の中から飛び出したのは人か、それとも畜生か。
怨敵与右衛門の娘、菊に憑依した累の亡魂。人々の念仏供養によって無事成仏したかに思われたが――。六十年の歳月を経て、秘められた因果が明らかになる。江戸怪談黎明期の大傑作。
継母に憎まれ、手首を斬り落とされた娘サト。あてどない旅の果てに出会ったのは、許嫁の男だった。ところが、二人の束の間の幸福に、継母がまたもや割って入り――。すれ違いと誤解が生む悲劇。
朝廷により討伐された平将門。残党狩りのため、相馬の古御所にやってきた大宅光圀。荒れ果てた御殿に現れたのは、如月と名乗る京嶋原の遊女だった――。妖術使いと豪傑の虚々実々の戦い。
釈迦族の王女を母に持つ舎衛国の毘瑠璃王子。母の母国へ留学に送り込まれた彼は、そこで恥辱とともにみずからの出自を知ることになり――。手塚治虫「ブッダ」でも有名な逸話。
前世からの仇に取り憑いた狐。敵を取り殺し、恨みを晴らした狐のもとに現れたのは――。憎しみが憎しみを呼び、怨みが怨みを招く。誰もが陥る負の連鎖。「日本霊異記」より。
二親に死なれて孤独になった長七は、寂しさを紛らわすために雌犬を飼う。その後、仲間のすすめで女房をもらうことになるが――。人と変わらぬ畜生の情念。
東国へ下ろうと夜道を歩いていた男は、見知らぬ女にさる屋敷へ案内するよう乞われるが――。肉体を離れた情念の純化した恐ろしさ。「今昔物語集」中の一篇より。