妖魔一覧

魔物の棲む家

二人の孝行息子を持つ穏やかな父。ある日人が変わったように荒れ狂ったのは、妖物がなりすましていたせいと知るが――。どちらが本物か偽物か。兄弟が出した答えは如何に。

ひとり女房 一殺多生

古来、航海の禁忌とされる「ひとり女房」。無理を押して漕ぎ出した船は、やがて嵐に巻き込まれる――。押し寄せる高浪。龍神に捧げる供物。人々の目に映った黒い妖物の正体とは。

土偶の博徒

百越の故地、肇慶。番卒が城中を夜回りしていると、燈火に群がる男たちの歓声が――。リリリリリとコオロギの声。ごろりと床に転がる首。乱れ交う大金の意外な出処とは。「夷堅志」中の一篇より。

廃寺の五妖怪

荒れ果てたかつての名刹には、謎に満ちた噂が――。仏法をもって魔と対峙する旅僧。謎を解く鍵は物の怪たちが互いを呼び合う名前にあった。民話としても全国に流布する江戸の傑作降魔譚の一。

水を飲んだ女

真夏の昼下がりに現れた幼く愛らしい寡婦。その人柄に惹き込まれた王夫婦は、少女を息子の嫁にもらうことにするが――。夢枕に悲痛の訴え。寝間から聞こえる怪しい音。「酉陽雑俎」中の一遍より。

食い込む爪

旅の途中、街道沿いのある村で宿を求めた四人の若者。老いた主人が貸し渋る一室に、何とか口説き落として泊めてもらうことになったは良いものの――。暗闇の惨劇。息を呑む展開。聊斎志異中最恐との呼び声高い一話より。

神隠し 嬰児と黒髪

山中で遭遇した女は、かつて己が想った娘だった――。背中におぶった赤子の来歴。そして、女の来し方に秘められた悲話とは。二十年ぶりの再会に、男と女は何を思うのか。柳田國男「遠野物語」中の数篇より翻案。

生き人形のととさま

旅の修行僧が民家で土産に持たされたのは、手のひらほどの大きさの生きた人形だった――。不気味さと愛らしさのはざまに、人の業と悲哀が垣間見える。「新説百物語」中の一遍より。

橋の上の女童鬼

渡った者は生きては帰られないという、近江国の安義橋。見栄を張ったがために、肝試しに行かされた男が出会ったのは、一人のいとけない女童だったが――。今昔物語集中の一遍より。

美女狩り、妖怪斬り

正義を奉ずるあまりに暴虐に走る地方官吏の男。罪人にはみずから拷問をし、女には辱めを与える。ある時、妖怪が出るという宿に泊まることになり、退治してやると意気込むが――。清代の伝奇小説「子不語」中の一遍より。