幽霊一覧

幽霊譚

幽女を見る目

幽霊を見ることができる眼を得てしまった男。右も左も目に入るのは亡霊ばかり。毎日を怯えて過ごしていたが――。冥府の女が男を誘う。その真意とは。南宋の志怪小説「夷堅志」より。

怪談乳房榎(一)落合の蛍狩り

絵師菱川重信の下男正介は、悪人磯貝浪江に脅されて主人を落合へ蛍狩りに誘い出し――。幽霊の遺した落款。墨絵の雌龍雄龍がやぶにらみする。近代日本語の祖、三遊亭圓朝による四大怪談噺の一。

子育て幽霊

戦乱に巻き込まれて死んだ妊婦。それから数日後、隣町の餅屋には夜な夜な現れる赤子を抱いた陰鬱な女の姿が――。日本民話の原話となった宋代の志怪小説より。

班女と梅若丸 隅田川

隅田川の渡し船に乗り込んだ都の狂女。対岸で行われている念仏会の由来を渡し守が語りだすと――。親子の情も春の夢のごとく散ってゆく。世阿弥の子、元雅作の名作能より。

食い込む爪

旅の途中、街道沿いのある村で宿を求めた四人の若者。老いた主人が貸し渋る一室に、何とか口説き落として泊めてもらうことになったは良いものの――。暗闇の惨劇。息を呑む展開。聊斎志異中最恐との呼び声高い一話より。

修羅道 佐倉惣五郎

下総佐倉の名主、木内惣五郎。領主堀田正信の苛斂誅求に、民になり代わって立ち上がるが。義憤の行く先に待っていた悲劇。歌舞伎「東山桜荘子」の原拠として知られる実在の人物伝より。

死霊解脱 累ヶ淵(二)累と助

怨敵与右衛門の娘、菊に憑依した累の亡魂。人々の念仏供養によって無事成仏したかに思われたが――。六十年の歳月を経て、秘められた因果が明らかになる。江戸怪談黎明期の大傑作。