傾城阿波の鳴門 巡礼歌
こんな話がございます。 阿波のご領主は玉木様でございますが。 昔、衛門之助様なる若殿が、色に堕ちたことがございました。 高尾ト申す傾城に、...
こんな話がございます。 阿波のご領主は玉木様でございますが。 昔、衛門之助様なる若殿が、色に堕ちたことがございました。 高尾ト申す傾城に、...
こんな話がございます。 よく三歳までは神のうちナドと申しまして。 幼な児はいつ死んでもおかしくないからト。 こう解釈したりいたしますが。 ...
こんな話がございます。 昔、智行兼備の僧がおりまして。 諸国をさすらっておりましたが。 ある国にやってまいりますト。 妙な噂が耳に入った。...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 さる国の山中をひとり行く僧形の者がございました。 鹿の角を付けた杖を突き、鉦を叩いて諸...
こんな話がございます。 唐の国の話でございます。 孟母三遷トいう言葉がございますが。 これは孟子の母が息子の正しい修養のために。 三度まで...
こんな話がございます。 ある年の暮れのことでございます。 貧しい男がひとりございまして。 金の算段もつかぬまま家に帰ってまいりますト。 女...
こんな話がございます。 江ノ島は四周を断崖絶壁に囲まれた、険峻な島でございます。 打ち寄せる荒波に、今も脆い岩肌が激しく削られている。 波...
こんな話がございます。 丹波国桑田郡は佐伯村という片田舎に。 小太郎ト申す貧しい若者が暮らしておりましたが。 この者が貧しいのには、きち...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 筑紫国のとある地に、貧しい女が暮らしておりました。 海近くに住んでおりましたので、いつ...
こんな話がございます。 清国の話でございます。 四人の若者が連れ立って旅をしておりました。 陽信県の外れ、街道沿いの村で日が暮れまして。 ...