奥州安達原
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 京の都のさる公卿のお屋敷に。 名を岩手の局ト申す女がおりましたが。 この者は姫君の乳母...
行為の背後に潜む欲心などの恐怖
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 京の都のさる公卿のお屋敷に。 名を岩手の局ト申す女がおりましたが。 この者は姫君の乳母...
こんな話がございます。 都が奈良にあった頃の話でございます。 大安寺に弁西ト申す僧がございまして。 この者は白堂(びゃくどう)を生業トして...
こんな話がございます。 ご承知の通り、法華の総本山ト申しますト。 身延山(みのぶさん)久遠寺でございまして。 これは山がちで知られる甲斐の...
こんな話がございます。 ある山奥の貧しい村に。 竹林に囲まれたぼろ屋がございまして。 老婆と孫娘が二人で暮らしておりましたが。 夜空に月...
こんな話がございます。 天竺の話でございます。 舎衛国(しゃえいこく)に、さる高名な婆羅門(バラモン)がおりました。 婆羅門ト申すは、か...
こんな話がございます。 武蔵国は中瀬の渡しから伊勢崎へかかる辺り。 横堀村ト申す在がございまして。 ここの名主に与左衛門ト申す年寄りがござ...
こんな話がございます。 大和国のトある商家に。 尼僧がひとり立ち寄りまして。 一夜の宿を求めました。 そればかりなら何の事はない。 誰も...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 河内国のトある在に。 田夫がひとりございまして。 名を「石別(いそわけ)」ト申しました...
こんな話がございます。 河内国は暗峠(くらがりとうげ)。 峠を越えたその麓の村。 平岡の里ト申す地に。 娘が一人おりまして。 山家の花じ...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 陸奥国の介(すけ。次官)を務める者がございまして。 通称を大夫の介と呼ばれておりました...