我が背子、夢を覗かれよかし
こんな話がございます。 播州は室津、室の泊まりト申しますト。 古くヨリ栄えた湊町でございまして。 また、我が朝の遊女の始まりの地トモ申しま...
悲しみの背後に潜む恐怖、恐怖の結果としての悲哀
こんな話がございます。 播州は室津、室の泊まりト申しますト。 古くヨリ栄えた湊町でございまして。 また、我が朝の遊女の始まりの地トモ申しま...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 京の都のさる公卿のお屋敷に。 名を岩手の局ト申す女がおりましたが。 この者は姫君の乳母...
こんな話がございます。 伊豆国熱海を、南東の海上へ去ること三里。 名を初島ト申す小島が、沖に浮かんでおりますが。 この島の開闢は、さる姫君...
こんな話がございます。 ある山奥の貧しい村に。 竹林に囲まれたぼろ屋がございまして。 老婆と孫娘が二人で暮らしておりましたが。 夜空に月...
こんな話がございます。 都が奈良にあったころの話でございます。 陽は山の端に傾き入り。 群青の闇が押し寄せる中。 墨を引いたように続く一本...
こんな話がございます。 武蔵国の国分寺のほど近くに。 恋ヶ窪ト申す地がございます。 かの源頼朝公が、鎌倉に本拠を構えておりましたころ。 ...
こんな話がございます。 木曽の山中、人里離れた静かな森に。 木こりが一人住まっておりまして。 枝木を伐って暮らしを立てているトいう。 貧し...
こんな話がございます。 河内国は暗峠(くらがりとうげ)。 峠を越えたその麓の村。 平岡の里ト申す地に。 娘が一人おりまして。 山家の花じ...
こんな話がございます。 肥州長崎は唐船着岸の津にございます。 綾羅錦繍の織物に金銀の糸、薬種にその他もろもろの品。 種々の珍貨が絶えること...
こんな話がございます。 我が日の本には八百万(やおよろず)の神々がましますト申しますが。 みとのまぐわい(美斗能麻具波比)によって、この神...