熊野起請文 烏の祟り
こんな話がございます。 よく「神に誓って」ナドと申す人がございますが。 その神トハどの神かト考えますに。 大抵の場合、それは熊野三山の祭神...
こんな話がございます。 よく「神に誓って」ナドと申す人がございますが。 その神トハどの神かト考えますに。 大抵の場合、それは熊野三山の祭神...
こんな話がございます。 世の中誰もが最後はいずれ死にますが。 同じ死ぬならせめて穏やかに死んでいきたいト。 やはり誰もが願っていることでご...
こんな話がございます。 奥州は八戸のとある在に。 宗介ト申す若い衆がひとり。 呑気に暮らしておりましたが。 ある冬の日のことでございます...
こんな話がございます。 よく、悪事を働いた者を指差して、 「今に地獄に落ちるぞ」 ナドと脅す人がおりますが。 地獄に落ちるのも、実は...
こんな話がございます。 とかく世間で疎んじられますのは。 口の軽い男に、尻の軽い女だナドと申しますが。 人様の事ならいざ知らず。 己のこ...
こんな話がございます。 阿波のご領主は玉木様でございますが。 昔、衛門之助様なる若殿が、色に堕ちたことがございました。 高尾ト申す傾城に、...
こんな話がございます。 よく三歳までは神のうちナドと申しまして。 幼な児はいつ死んでもおかしくないからト。 こう解釈したりいたしますが。 ...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 さる国の山中をひとり行く僧形の者がございました。 鹿の角を付けた杖を突き、鉦を叩いて諸...
こんな話がございます。 ある年の暮れのことでございます。 貧しい男がひとりございまして。 金の算段もつかぬまま家に帰ってまいりますト。 女...
こんな話がございます。 丹波国桑田郡は佐伯村という片田舎に。 小太郎ト申す貧しい若者が暮らしておりましたが。 この者が貧しいのには、きち...