猿の恩知らず
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 筑紫国のとある地に、貧しい女が暮らしておりました。 海近くに住んでおりましたので、いつ...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 筑紫国のとある地に、貧しい女が暮らしておりました。 海近くに住んでおりましたので、いつ...
こんな話がございます。 余り知られていないことでございますが。 戦国の世においては、百姓は存外丁重に扱われておりました。 ト申しますのも...
こんな話がございます。 陸奥国は遠野ト申す地に。 男盛りの猟師が一人おりまして。 名前を嘉兵衛ト申しましたが。 この嘉兵衛が山へ猟に出た...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 近江国の国の守の館に。 勇み肌の若い衆が幾人も雇われておりましたが。 ある夕暮れ時の...
こんな話がございます。 有名な累ヶ淵(かさねがふち)の話でございます。 与右衛門の幼い娘、菊の体に。 二十五年前に殺した先妻、累(か...
こんな話がございます。 昔、紀州のある村に、強欲者の夫婦がございました。 よく、己の損得勘定にばかりうるさい者を指しまして。 「あの人は...
こんな話がございます。 ある村に、五人暮らしの一家がありました。 両親と子どもたち三人で、仲良く暮らしておりましたが。 ある時、母親が病に...
こんな話がございます。 信州は犀川のほとりに貧しい村がございます。 周囲を急峻な崖に囲まれた谷間に、岩がゴロゴロ転がっている。 その中を激...
こんな話がございます。 唐土(もろこし)の話でございます。 唐の貞元年間と申しますから、我が日の本で言うならば、平安の都が開かれたばかりの...
こんな話がございます。 備中は成羽郷の山奥に、木の村という小さな村がございます。 その村の神社の境内に、二つの大きな岩がございまして。 村...