修羅道 佐倉惣五郎
こんな話がございます。 余り知られていないことでございますが。 戦国の世においては、百姓は存外丁重に扱われておりました。 ト申しますのも...
こんな話がございます。 余り知られていないことでございますが。 戦国の世においては、百姓は存外丁重に扱われておりました。 ト申しますのも...
こんな話がございます。 奥州は遠野郷のある村に。 七兵衛と十兵衛ト申す二人の若者がおりまして。 三年を期日と定めて、江戸へ稼ぎに出かけまし...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 西国から京へ上らんとする、若い僧がございました。 何をそんなに急ぎましたのか。 昼も...
こんな話がございます。 有名な累ヶ淵(かさねがふち)の話でございます。 与右衛門の幼い娘、菊の体に。 二十五年前に殺した先妻、累(か...
こんな話がございます。 陸奥国は三戸の御古城近くに。 大層な分限者がおりまして。 サトと申す美しい娘がおりましたが。 この娘の実の母はも...
こんな話がございます。 我々関東者にとって英雄と申しますト。 一も二もなく、平将門公でございますナ。 何故かト問うのは野暮というものでご...
こんな話がございます。 天竺の話でございます。 お釈迦様が悟りを開かれて間もないころのこと。 舎衛国(しゃえいこく)の波斯匿王(はしのくお...
こんな話がございます。 よく犬猿の仲などと申しますが。 同じ畜生同士だろう。 少しは仲良くしたらどうだ。 ト、人間の私からしたら、そう言い...
こんな話がございます。 昔、摂津国兵庫のあたりに、長七ト申す者がございました。 大坂から酒を取り寄せて、商いをしておりました。 長七は近...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 ある時、京から美濃、さらに尾張へ向かおうとしている下臈がおりました。 下臈――すなわち...