2016年10月一覧

三人尼と踊り茸

通い慣れた山中で道に迷った三人の木樵。数日にわたる野宿の末に見たものは、世にも奇怪な尼の姿だった。欲と自制の葛藤の隙に生まれる悦と苦――。怪奇と幻想の果てに現れた結末とは。

比丘尼の長風呂

帝位を密かに狙う東晋の武人、桓温。訪ねてきた尼僧の不審な振る舞いに、非礼と知りつつ風呂を覗いてみると、そこにはきらめく白刃、そして――。「意気消沈」の語の由来として知られる歴史故事。

猫又屋敷

忽然と姿を消した飼い猫。筑紫の山中で暮らしていると教える旅僧。ひとり探しに訪ねていく女。現れたのは一軒の大きな屋敷だった。女がそこで見たものとは――。各地に伝わる化け猫伝説の一。

八百屋お七

火事に焼け出されて、檀那寺に避難したお七は、美童を見初め――。後に歌舞伎、文楽、落語など多くの芸能に扱われる、悲哀と狂気に満ちた少女の所業。井原西鶴「好色五人女」中の一遍より。

右も左も同じ顔 玄陰池

夏の強い日差しを避けて、大木の下で休んでいた商人の石憲の前に、現れた謎の僧。連れて行かれたのは、多くの僧侶たちが泳ぐ池だった。ところが、その僧侶たちをよく見てみると――。

瀬田の唐橋で渡された箱

京から美濃へ帰る途上、名橋「瀬田の唐橋」で不思議な女に出会った遠助。「決して開けてはならない」と言って渡された箱――。平安のパンドラの箱には、恐ろしいモノが詰め込まれていた。

妲己のお百(五)峯吉殺し

かつて深川一の芸妓と呼ばれた太田屋峯吉。大店の旦那に身請けされたのがその絶頂。その後はすっかり落ちぶれていた。器量良しの娘と彷徨っているのを目にしたお百は一計を案じる――。

美姉妹と背徳の赤い糸

戦乱に巻き込まれ許嫁と死別した平次。彼のもとへ夜な夜な通ってくるのは亡き妻の妹。平次は愛欲の波に飲み込まれていくが――。江戸怪談の嚆矢、浅井了意「伽婢子」中の一遍より。