2017年02月一覧

子育て幽霊

戦乱に巻き込まれて死んだ妊婦。それから数日後、隣町の餅屋には夜な夜な現れる赤子を抱いた陰鬱な女の姿が――。日本民話の原話となった宋代の志怪小説より。

蓮華往生

初代尾上菊五郎の子、丑之助。暴漢に襲われた父から聞いた最後の一言が、彼の人生を狂わせる。蓮華の花中に秘められた真実とは――。実際の事件を組み合わせ脚色した江戸の罪業譚。

崖の上の狐とお歯黒婆

山中で見かけた狐に悪ふざけを仕掛けた宗介。勝ち誇ったつもりで山を降り、帰りに再び通りかかると――。パチパチと燃える囲炉裏の火。徐々に漆黒に染まっていく、老婆のやけに丈夫な白い歯。八戸の民話より。

剣樹刀山 炎熱地獄

金だけ巻き上げられて騙された破戒僧は、やがて復讐の鬼となる。だが、その先に待っていたのは、阿鼻叫喚の地獄絵図だった――。木も、草も、笹の露さえも、この世の全てが責め立ててくる。片仮名本「因果物語」中の一篇より。

魔物の棲む家

二人の孝行息子を持つ穏やかな父。ある日人が変わったように荒れ狂ったのは、妖物がなりすましていたせいと知るが――。どちらが本物か偽物か。兄弟が出した答えは如何に。

三尺の翁が顔を撫でる

かつての冷泉院跡に残った池の畔。気持ちよく昼寝をしていた男の顔の上に不気味な気配。身の丈三尺の老人が冷たく濡れた手で――。怪しい翁の正体とは。今昔物語集中の一篇より。

班女と梅若丸 隅田川

隅田川の渡し船に乗り込んだ都の狂女。対岸で行われている念仏会の由来を渡し守が語りだすと――。親子の情も春の夢のごとく散ってゆく。世阿弥の子、元雅作の名作能より。

言うなの地蔵

都で一旗揚げると大言壮語して村を出ていった三太。野心は愚か、暮らしにすら行き詰まって国へ帰る道。犯した罪を地蔵は全て見ていたが――。タブーを前に揺れる心。驚きの結末。

ひとり女房 一殺多生

古来、航海の禁忌とされる「ひとり女房」。無理を押して漕ぎ出した船は、やがて嵐に巻き込まれる――。押し寄せる高浪。龍神に捧げる供物。人々の目に映った黒い妖物の正体とは。

蘭陵王の婿

天涯孤独の若い男のもとに願ってもない縁談が舞い込む。聞けば相手も独り身で、その上尽き果てぬほどの財を持っているという。ところが、その背後には男を待ち受ける恐怖の奇面の影があった。