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女にまつわる怪異譚

杏生と二人のお貞

こんな話がございます。 越後国は新潟湊に、若い医者がおりまして。 名を長尾杏生(ながおきょうせい)ト申しましたが。 これが目鼻立ちの整っ...

鰍沢(かじかざわ)

こんな話がございます。 ご承知の通り、法華の総本山ト申しますト。 身延山(みのぶさん)久遠寺でございまして。 これは山がちで知られる甲斐の...

幽女を見る目

こんな話がございます。 唐土(もろこし)の話でございます。 越の紹興に沈某という若者がございまして。 この者の住処は東岳廟の参詣の途次にご...

鬼女の乳を吸う

こんな話がございます。 都が奈良にあったころの話でございます。 陽は山の端に傾き入り。 群青の闇が押し寄せる中。 墨を引いたように続く一本...