虚舟(うつろぶね)
こんな話がございます。 海の向こうから神がやってくるというお話は。 古今東西あまたございます。 本朝でも、少彦名命という神があらせられる...
こんな話がございます。 海の向こうから神がやってくるというお話は。 古今東西あまたございます。 本朝でも、少彦名命という神があらせられる...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 西国から京へ上らんとする、若い僧がございました。 何をそんなに急ぎましたのか。 昼も...
こんな話がございます。 唐土(もろこし)の話でございます。 当時の都の一隅に。 石氏ト申す者が、茶店を開いておりました。 とは言え、あまり...
こんな話がございます。 俗に、義太夫節は音曲の司(つかさ)などト申しまして。 聞いて楽しむのもよし、やって楽しむのもまたよしトいう。 お好...
こんな話がございます。 有名な累ヶ淵(かさねがふち)の話でございます。 与右衛門の幼い娘、菊の体に。 二十五年前に殺した先妻、累(か...
こんな話がございます。 陸奥国は三戸の御古城近くに。 大層な分限者がおりまして。 サトと申す美しい娘がおりましたが。 この娘の実の母はも...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 当時、東国ト申しますト。 原生林やら手つかずの土地もまだ多く。 まつろわぬ蝦夷も北にた...
こんな話がございます。 元朝の話でございます。 遼東の按察使を長く任された者に。 姚忠粛(ようちゅうしゅく)ト申す男がございました。 按...
こんな話がございます。 両国広小路にずらりと居並ぶ茶店の中に。 「いろは」ト申す流行りの店がございまして。 その看板娘は、名をお藤ト申す十...
こんな話がございます。 俗に「偕老同穴の契り」ナドと申しまして。 夫婦の仲が睦まじく、固い信義で結ばれていることを指しますが。 「偕(とも...