残虐一覧

後家殺し

伊勢屋の後家と良い仲になった、素人義太夫語りの常吉。ある時、訪れた友達にのろけ話を聞かせていたが、思わぬ真実を知らされて――。妻子を思う姿に、奉行が胸を打たれて放った一言とは。

手っ切りあねさま

継母に憎まれ、手首を斬り落とされた娘サト。あてどない旅の果てに出会ったのは、許嫁の男だった。ところが、二人の束の間の幸福に、継母がまたもや割って入り――。すれ違いと誤解が生む悲劇。

比丘尼の長風呂

帝位を密かに狙う東晋の武人、桓温。訪ねてきた尼僧の不審な振る舞いに、非礼と知りつつ風呂を覗いてみると、そこにはきらめく白刃、そして――。「意気消沈」の語の由来として知られる歴史故事。

猫又屋敷

忽然と姿を消した飼い猫。筑紫の山中で暮らしていると教える旅僧。ひとり探しに訪ねていく女。現れたのは一軒の大きな屋敷だった。女がそこで見たものとは――。各地に伝わる化け猫伝説の一。

右も左も同じ顔 玄陰池

夏の強い日差しを避けて、大木の下で休んでいた商人の石憲の前に、現れた謎の僧。連れて行かれたのは、多くの僧侶たちが泳ぐ池だった。ところが、その僧侶たちをよく見てみると――。

瀬田の唐橋で渡された箱

京から美濃へ帰る途上、名橋「瀬田の唐橋」で不思議な女に出会った遠助。「決して開けてはならない」と言って渡された箱――。平安のパンドラの箱には、恐ろしいモノが詰め込まれていた。

沢の怨霊の片棒を担ぐ

武将張禹が旅の途中、雨宿りに立ち寄った屋敷は、死者の館だった。美しい女主人の亡魂と後妻への怨み。見込まれた張禹は祟りの片棒を担ぐことになり――。六朝期の志怪小説より。

毘瑠璃王と釈迦の一族

釈迦族の王女を母に持つ舎衛国の毘瑠璃王子。母の母国へ留学に送り込まれた彼は、そこで恥辱とともにみずからの出自を知ることになり――。手塚治虫「ブッダ」でも有名な逸話。

一つが二つが四つになる

妖邪、迷信のたぐいを一切信じない、李頤の父。ある時、その噂を聞きつけた商人から、住めば必ず死ぬという家を買ってほしいと頼まれる。家人の心配をよそに、二つ返事で承諾すると――。