犬が狐を殺しに来る
こんな話がございます。 よく犬猿の仲などと申しますが。 同じ畜生同士だろう。 少しは仲良くしたらどうだ。 ト、人間の私からしたら、そう言い...
こんな話がございます。 よく犬猿の仲などと申しますが。 同じ畜生同士だろう。 少しは仲良くしたらどうだ。 ト、人間の私からしたら、そう言い...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 とある地に、鹿や猪の猟を生業とする兄弟がございました。 いつも二人で山に入り、「待ち」...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 ある時、京から美濃、さらに尾張へ向かおうとしている下臈がおりました。 下臈――すなわち...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 讃岐国は多度郡のとある里に、源太夫ト申す者がおりました。 この男の気性の猛々しいこと...
こんな話がございます。 平安の昔、白河天皇の御代の話でございます。 白河天皇は二十歳の若さで即位なされました。 ところが、その後六年間、世...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 ある男がございまして。 どんな事情があったかは知りませんが。 長年連れ添った妻を離縁し...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 摂津国に非常に年老いた僧がございました。 九十を超えてもなお、仏道修行に励んでおります...
こんな話がございます。 源頼朝公の腹心に、文覚(もんがく)という僧侶がございました。 俗名を遠藤盛遠(もりとお)と申しまして。 摂津源氏の...
こんな話がございます。 これは天竺の話でございます。 遠い外つ国(とつくに)の話ですから、いつのことだかは分かりませんが。 天竺に「僧伽多...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 大江定基(おおえのさだもと)と申す男がございました。 文才に恵まれ、将来も嘱望されてお...