猿の恩知らず

こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 筑紫国のとある地に、貧しい女が暮らしておりました。 海近くに住んでおりましたので、いつ...

食い込む爪

こんな話がございます。 清国の話でございます。 四人の若者が連れ立って旅をしておりました。 陽信県の外れ、街道沿いの村で日が暮れまして。 ...

修羅道 佐倉惣五郎

こんな話がございます。 余り知られていないことでございますが。 戦国の世においては、百姓は存外丁重に扱われておりました。 ト申しますのも...

生き人形のととさま

こんな話がございます。 若い修行僧がひとり、東国を旅しておりまして。 その日も暮れ方となり、ある家に一夜の宿を求めました。 「旅の僧でご...

橋の上の女童鬼

こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 近江国の国の守の館に。 勇み肌の若い衆が幾人も雇われておりましたが。 ある夕暮れ時の...

美女狩り、妖怪斬り

こんな話がございます。 清国の話でございます。 よく正義漢だとか熱血漢ナドと呼ばれる者がおりまして。 とかく世の中では、こうした者がもては...