蘭陵王の婿

こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 北斉の蘭陵武王は、武勇と悲劇の名将でございます。 数々の武功を立てながら、かえって疎ま...

土偶の博徒

こんな話がございます。 唐土(もろこし)の話でございます。 肇慶(ちょうけい)は古代、百越の住まった地でございまして。 秦の始皇帝が、彼ら...

こんな晩

こんな話がございます。 よく三歳までは神のうちナドと申しまして。 幼な児はいつ死んでもおかしくないからト。 こう解釈したりいたしますが。 ...

廃寺の五妖怪

こんな話がございます。 昔、智行兼備の僧がおりまして。 諸国をさすらっておりましたが。 ある国にやってまいりますト。 妙な噂が耳に入った。...

阿弥陀の聖

こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 さる国の山中をひとり行く僧形の者がございました。 鹿の角を付けた杖を突き、鉦を叩いて諸...

水を飲んだ女

こんな話がございます。 唐の国の話でございます。 孟母三遷トいう言葉がございますが。 これは孟子の母が息子の正しい修養のために。 三度まで...

死神

こんな話がございます。 ある年の暮れのことでございます。 貧しい男がひとりございまして。 金の算段もつかぬまま家に帰ってまいりますト。 女...