矢口長者の隠れ里
こんな話がございます。 相州は丹沢山地のとある一隅に。 奇妙な名前の沢が集まっている場所がございます。 勝負沢、二十が沢、六百沢、転がし沢...
こんな話がございます。 相州は丹沢山地のとある一隅に。 奇妙な名前の沢が集まっている場所がございます。 勝負沢、二十が沢、六百沢、転がし沢...
こんな話がございます。 下総国、臼井の四日市ト申す地へ。 諸国行脚の僧が通りかかりました。 時すでに、夕闇迫る頃となりましたので。 付近...
こんな話がございます。 よく犬猿の仲などと申しますが。 同じ畜生同士だろう。 少しは仲良くしたらどうだ。 ト、人間の私からしたら、そう言い...
こんな話がございます。 唐の国の話でございます。 よく、旅を人生に譬える御仁がございますが。 宿屋はさしずめ、人生の吹き溜まりと申せましょ...
こんな話がございます。 いよいよ、妲己のお百(だっきのおひゃく)の悪行譚でございます。 (大坂の廻船問屋、桑名屋。先代が斬った海坊主の怨...
こんな話がございます。 ある山奥に、貧相な荒れ寺がございました。 住職は腰の曲がったヨボヨボの爺さんで。 もうこの年では気力も体力もござい...
こんな話がございます。 伴山ト申す僧がございまして。 諸国を旅しておりましたが。 ある時、下総は須賀山ト申す地を、通りかかった時のことでご...
こんな話がございます。 平安の昔の話でございます。 とある地に、鹿や猪の猟を生業とする兄弟がございました。 いつも二人で山に入り、「待ち」...
こんな話がございます。 唐土(もろこし)の話でございます。 唐の貞元年間のこと。 河朔の地に、李生ト申す少年が住んでおりました。 李生は...
こんな話がございます。 これから幾回かに分けまして。 「妲己のお百(だっきのおひゃく)」の悪行譚をお話しいたしますが。 今回、お百はまだ出...